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肩腱板断裂

肩腱板断裂とは、肩峰と上腕骨骨頭に挟まれている、肩と腕とをつなぐ腱板という組織が断裂し、痛みが出たり、肩を動かすことができなくなったりする障害です。

ご高齢者の「肩の痛み」は難しい

交通事故において問題になるのは、年配の方が、「事故後」肩に激しい痛みが生じ腱板断裂と診断されたものの、MRI画像等から肩腱板の断裂は「事故前から」あったことが明らかである、というようなケースです。

このような場合、自賠責保険の後遺障害等級認定において「事故前から腱板断裂は存在していた→腱板断裂は事故とは無関係→腱板断裂による痛みや可動域制限は本件事故とは無関係→後遺障害非該当」という、被害者にとって、とても納得できないものとなることがあります

被害者からすれば、明らかに事故で生じた痛みを事故とは無関係、などと言われるわけで、怒りすら覚えて相談に来られるのも無理はないケースです。

後遺障害認定には緻密な立証が必要

肩腱板断裂は、(外傷ではなく)肩の酷使により生じることも多く、そのような場合は、いわゆる老化現象の一つとして考えてよいものです。また肩腱板断裂には、痛みを伴う場合と無痛の場合があり、前者を症候性腱板断裂、後者を無症候性腱板断裂と呼びます(ある調査によれば、65歳以上でほぼ半数の方に無症候性腱板断裂があるとされています。)。

上記のケースは、老化による無症候性腱板断裂を持っていた方が事故に遭い、その衝撃で、症候性断裂に転化した、と考えられます。

このような場合に、被害者にとって極めて不合理とも思われる認定がされる原因は、自賠責保険の後遺障害認定では「画像所見」が極めて重視されるわりに、画像に現れている「細部の変化」について、専門的知見に基づく緻密な認定がされていない場合があるためと考えられます。

不幸にしてそのような認定を受けてしまった場合には、無症候性腱板断裂が症候性腱板断裂に転化したことを、MRI画像等に基づき説明し、症候性腱板断裂の発症は事故が原因であることを証明する必要があります。

また、後遺障害認定非該当という判断を覆すため、いかなる手続きを選択するか、も重要です(自賠責への異議申立、自賠・共済紛争処理機構調停申立、訴訟等の選択肢があります。)。

腱板断裂において症状が出るきっかけが何であるかは、医学的に必ずしも明らかとは言えないため、その立証は容易ではありませんが、当事務所では、主治医や専門医の協力の下、そのハードルを超えるための努力を精一杯行い、成果を上げています

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